入試問題にチャレンジ⑦上位校を目指す中3生へ(国語)

横書きで読みにくいと思いますが、チャレンジしてみてください。

高校入試 古文

大納言(だいなごん)俊明(としあき)(きょう)、丈六(じょうろく)の仏を作らるる由(よし) 聞(①)きて、
             源俊明           約4.85mの仏をおつくりになる                     

奥州の清衡、薄(はく)の料(れう)に金を奉(たてまつ)けるを、
藤原清衡       金箔のために          献上したが

取らして、返し遣はしけり。人、そのゆゑを問ひければ、

「清衡は王地(おうち)を多く横領(あふりやう)して、ただいま謀反(むほん)を発(おこ)べきものなり。

 王土をあちこち不当に占領して    いますぐにも                                           

その時は追討使(ついたうし)を遣はさこと、定め申すべきなり。これによりて、これを取ら

 朝廷の敵を追討する使者の派遣をするようなこと

とのたまへ
おっしゃった

「十訓抄」による

 

君 子 防 未 然、不 処(ヲ)二 嫌 疑 間(ニ)一。瓜 田(ニ) 不 納(レ)レ 履(ヲ)、

李 下(ニ) 不 正 冠。

 

【書き下し文】

君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処らず。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。

すぐれた人         疑い     いない       瓜の畑  はきなおさず    すももの木の下

「古楽府」による

 

助動詞

けり・・・伝聞過去 だった、だったそうだ ・・・打消し ~ない べし・・・推量 だろう

・・・意志 ~よう べし・・・義務 ねばならない なり・・・断定 である ・・・完了 ~だ

 

一、古文①に、「聞きて」とありますが、「聞いた」のは誰ですか。最も適切なものを次から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 大納言俊明卿   イ 丈六の仏  ウ 清衡  エ 追討使

ニ、漢文②の「君子防未然」について、【書き下し文】の読み方になるように返り点を書きなさい。送り仮名はつけなくてよい。

君   子   防   未   然

三、古文①に「取らずして返し遣はしけり」とありますが、なぜですか。次の□は、その理由をまとめたものです。□に入る適切な言葉を書きなさい。ただし、 ア は古文①の内容を参考にして十五字以内で書き、

イ は漢文②の本文から二字で書きなさい。

 

俊明は ア であり、金を受け取って、謀反に関係する者という イ をかけられたくないから。

 

四、古文①、漢文②の説明として、最も適切なものを次から一つ選び、記号で答えなさい。

 

ア 古文①は複数のはなしから書き手が言動を評価していて、漢文②は考えと例示を対比して説明している。

 

イ 古文①は書き手が出来事を紹介していて、漢文②は考えを提示した後に例示を並べ挙げている。

 

ウ 古文①は出来事と書き手の感想を明記していて、漢文②は冒頭から例示を重ねて展開している。

 

エ 古文①は書き手が話の後に評価を提示していて、漢文②は冒頭で提示した話題を例示で深めている

 

 

解答   一 ウ  二 君 子 防 未 然  三 ① 例 追討使の派遣を決める立場  ② 嫌疑  四 イ