宮城県の高校入試制度は、以前からいくつかの問題点が指摘されてきました。その主なものとして、次の3点があげられると思います。第一に、調査書の評定が大きなウェイトを占めていること( 特に、技術4教科の配点が2倍になり、5教科の学力・評定値が生かされないこと)。第二に、各中学校の先生方が、自校の生徒たちが入試に不利にならないように評定値の底上げを図って、難易度を下げた簡単なテスト問題を出題する傾向があること。第三に、公立の入試問題の難易度が他県に比べて極端に低いこと。(H16 283.0 点 H17 283.7 点 H18年度279.6点、H19年度285.7点です。) 宮城県の仙台市を除く県内地域の全国標準学力テストの得点率は全国最下位(沖縄県と同率46位)です。また、仙台市内の現役高校生の大学合格率は大変低い状態にあります。その一因として、現在の入試制度によって学力不足のまま公立上位高に進学し高校の学習レベルについていけない生徒さんの割合が高くなる方向にあるということがあります。自分の本来の学力がどれくらいであるかをできるだけ知っておくことは将来の志望校選びに大いに役立つと思います。
さて、これまでは小・中学生の学力をきちんと判定できる全県的な模擬試験が本県にはありませんでした。しかし、今年度(R2年度)から「宮城ぜんけん模試」(進学舎)がオープン会場で模擬試験を実施することになりました。これまでは二華中等学校や青陵中等学校を受験する児童さんや中学校の成績上位者層が受験してきているようです。今後、中・高の進学校・国立大学・難関私立大学を目指す児童・生徒さんは、この模擬テストを受験されてみてはどうでしょう。 進学舎のURLは https://www.shingakusha.co.jp/