2020年度から実施される(センター試験から共通テストという名称に変更されて)大学入試1次試験へ移行するきっかけとなったのは、2003年に行われた15歳の生徒を対象にしたOECD(= 経済協力開発機構)の試験結果でした。3年ごとに行われるこの試験で、日本の生徒たちは大きく学力を下げてしまいました。特に、読解力の大幅な凋落が一連の改革の原因となりました。
以下は、12/3のNHK WORLD (RADIO JAPAN)で放送されたものです。なぜ現在の高校の教育改革・大学の入試改革が行われるようになったのかを簡潔に述べています。日本語訳がついていますので、興味のある学生さんは目を通してみてください。
日本の読解力 国際学力調査で低下 SURVEY: JAPAN STUDENTS 15TH IN READING SKILLS
Japanese high school students rank in the world’s top levels in science and mathematics, but their reading proficiency is relatively poor.
That’s according to an international survey by the Organization for Economic Co-operation and Development. The survey is taken every three years and ranks 15-year-old students in the three categories.
Beijing, Shanghai, Jiangsu, and Zhejiang in China topped all three categories, followed by Singapore and Macao. Japan was fifth in science, down three places from the previous survey. In mathematics, Japan dropped down one level to sixth. And in reading, Japanese students fell seven places to 15th.
Over the years, the survey has had significant impact on Japan’s education policy. When the 2003 survey showed a decline in reading skills, it led to longer class hours and a wider selection of materials taught.
The education ministry says it takes the results seriously and aims to improve the quality of education with its new teaching guidelines.
rank順位を占める proficiency習熟 relatively相対的に significant重要な
impact影響 guidelines指針(通常は複数で)
OECD 経済協力開発機構
日本の高校生は科学や数学では世界のトップレベルの実力がある一方、読解力は相対的に劣っていることが分かりました。
これはOECD=経済協力開発機構が行った国際的な調査によるものです。調査は3年ごとに行われ、15歳の生徒の力を3つの部門で順位づけします。
中国の北京、上海、江蘇、浙江は3つの全ての分野でトップ、次いでシンガポールやマカオが続きました。
日本は、科学が前回の調査から3つ順位を下げて5位、数学は前回からひとつ下がって6位でした。そして読解力では、7つ順位を下げて15位でした。
この調査は長年にわたって日本の教育政策に大きな影響を与えてきました。2003年の調査で読解力の低下が明らかになったときは、授業時間を延ばしたり教材の選択肢を広げたりすることにつながりました。
文部科学省は、この結果を深刻に受け止め、新しい学習指導要領で教育の質の向上を目指すと話しています。